聖ペーテラ教会 Rīgas Svētā Pētera baznīca
世界の風景写真でカレンダーを作る,永く愛するお友達の保険会社が,数年前,リーガ旧市街を採用しました。
私がリーガに興味を持った理由はアールヌーヴォーでした。建築群を観たいなぁ,と漠然と思っていて,それ以外の事は何も知らないに等しかったんですが,このカレンダーの写真を見て,「この町はアールヌーヴォーだけの町じゃないんだな,なんてきれいな旧市街だ」と驚いたものでした。
勤務先の前の部署にかかっているこの会社のカレンダーが好きな私は,狙いをつけていた月が終わるとその頁をもらってデスクマットに入れて悦に入ると云う貧乏くさい楽しみを持っておりました(今の部署にはこのカレンダーがない。泣くしかない)から,当然リーガの月が終わる前から予約して,入手して眼の保養にしていた…のを実に今,こうして書きながら思い出しました。
リーガ入りに際し予習していた間もそれを思い出さず,お初であるかのように「おぅこれはステキだな。行ったら是非観よう」なんて思っていたんですから愚かなものです。
そんなワケで,建築様式に興味を持たない人でも楽しめる筈のこの美しいリーガ旧市街は世界文化遺産です。それも1997年以来の。(2度目の)独立後6年目のこの誉れ。
よく聞くのが,旧ソヴィエト連邦に属していた町は連邦の無策無関心により荒れるにまかされ,かつての繁栄なぞ見る影もなくなってしまったと云う話。現在でもEUの最貧国と言われるラトヴィアで,独立したての混乱の中,6年やそこらで町を美しくするだけの国力を持っていたでしょうか。
と,云う事は,連邦の一部だった時もこの地の人々が町の美しさを守り続けていたのだろうか。それとも「(観光客が誘致出来て)金になる」と云う理由でここには元々連邦政府が眼をかけていたのか。
前者なら素晴らしい事ですね。アールヌーヴォー建築の修復活動にも熱心な様子ですし,もっと完成度が上がるといいなと思います。
そんな旧市街を一望したければ,ここに来るとよいとされているので来てみました。聖ペーテラ教会。エレベーターで尖塔を登る事が出来ます。操縦士(びっくりするくらい無言)がつくので,間が悪いと10分くらい待たされますが,他に選択肢がないので仕方ありません。当然の如く,有料です。見える景色はステキです。