せっかくのいい陽気,美術館に籠もってないでフラフラと歩きに行きたくなるところですが,幸い大倉集古館は私が東京で最も好きなエリアにあります。
結局直前に頭痛を発症し,歩く意欲が萎えに萎えたんですけどね…。
先ずはいつものようにスウェーデン大使館へ…と思ったんですが,残念ながらこの週末はイヴェントが行われておらず,閉まっていました。でも,ここの人達は優しく,ちょっと嬉しい事がありました。
展は,大満足する物ではありませんでした。主に清国とチェコのガラス器が出展されていましたが,私の目当ては当然後者。併しもっとスゴいのを私はヨーロッパで観ているので感激も薄く。
清国の展示品の一部に興味を引く物がありました(アクセサリーとしてのガラス。ビーズと同じだ)が,うーんあれで入館料1000円は高いぞ。
企画展示品よりも常設展示品の方が見応えがありそうでした。私の領域ではないので判断もいい加減ですが…。
庭の前景は美しく撮れませんでした。いくつか展示物があって,好む方なら楽しめそうでした。
建物は御覧のように綺麗にしてあって白壁も美しい……んですが,ちょっと裏手に回るとこんなの(下段中央)。
惜しい!
大倉集古館とホテルオークラ内飲食施設のコンビチケット(お,何気なくこの言葉を使ったけど,これヨーロッパでよく聞くやつだわ。オークラではお上品に「セット鑑賞券」と呼んでいます)があります。私はその中から茶菓券を選択。プラス600円でケーキと飲物のセットを楽しめます。
紅茶の小道具?の充実振りは素晴らしく,さすが高級ホテルと思わされるのですが,ケーキの置き方,これいいのか?
中国人風水師なら絶対許さないと思うんだが…(註:人の方に先の鋭い物を向ける行為はその人を攻撃すると云う意味を持っています。だからホンコンではビルの鋭角の向け方に,所有者が互いに気を遣うそうです。あの密集地で…)。
国家の要人を迎え入れるホテルなんだから,ちょっと神経を注いだ方がいいんじゃないかな,と思いました。
さて,その後私は移動し,別の場所を訪れました。
そこでまた,ノラネコを発見。とてもフレンドリーな子だったので暫く遊んでおりましたが,そこを御婦人と紳士が通りかかり,私に話しかけてきました。
なんでも近隣で働く数名の有志がこの子等の面倒を看ているそうです。
中には異動で勤務地が離れたにも拘らず,いまでも通ってくる人もいらっしゃるらしい。私が行った時は2匹見ただけでしたが,実際には4匹,そこにいるんですって。皆でエサを持ち寄り,近くのメーターボックスか何かの隙間に勝手に収納,気付いた人が与えています。
そこにはドライフード数種,缶詰数缶と盛り付けに使うフォークがちんまりと置かれていました。紳士が開けて見せてくれました。
開けたついでか紳士はコーヒー缶を取り出し,そこからドライフードを出して与えていました。勝手知ったる感じ。いつもやっているのでしょう。実際普段の様子をリアルに話してくれました。
そこは公共性の高い施設ですが,所有者はここにノラネコがいる事を承知しても出て行けと言わず,「私達も犬が好きで飼ってますから」と理解を示し,黙認してくれているそうです。
黙認出来るのは食べ物を散らかさず,排泄も別所で行い,臭いを出したりしないとこの子達そのものの行儀の良さもありますが,有志の人達の行動も奏功しているのでしょう。
過剰にエサを出していけばネコが残して場所が汚れます。その辺ちゃんと気を配り,必要分しか出さない。
所有者はこのようにいい人達でも,警備人がネコを嫌っているようなので,彼等の逆鱗に触れさせない為に,ネコのせいで汚れたと言わせない為に色々努力しているそうです(だからかネコ有志がよくやる,ボロキレを隅っこに敷いておくなんて事はしていない)。
私はこのハナシを聞いて,心底嬉しくなりました。志を同じうする者として,完全なる一見さんの私も認めてもらえたようだし,普段の自分の生活圏には全く含まれていない場所ですが,通いたくなってしまいました。
相変わらず記録は撮ってあるんですが,固体と場所の特定をさせない為,ここでは珍しく一切使用しない事にしました。
彼等は「また会いましょう」と言って分かれることを常としているようです。ホント,また会いましょう。>