郵便貯金局 Österreichische Postsparkasse
オットー・ヴァーグナーの傑作,郵便貯金局。私の大好きな建築物です。ヴァーグナーのみならず,あの時代にこの手の意匠はそうたやすく受け容れられてはいなかったでしょう。ロースハウスには非難囂々だったと聞いています。その上これは公的機関の建物…。多分普通の人には相当衝撃的だったはず。
私は約15年前からヴィーン通いをしていますが,ここには極めて初期に詣でています。好きな割にその後詣でていなかったのですが,今期,久し振りに行って来ました。
私のようなファンが多くいるからなのか関係ないのか,いつの間にか建物内の一角に博物館的施設が出来ていました。
「いつの間にか」と書きはしたけれど……本当は昔からあったのか?
以下の画像には博物館,通常業務を行う区画,外部を混ぜ込んでおります。ここでは内部撮影も許可されています。
ヴァーグナーの,このお言葉。こう云う物を創った人の言葉だなぁと思います。激しく同意。
続いてディテール。ユーゲントシュティールの建築家は調度品まで手掛ける事が多かったように思います。私はヴァーグナーのトータルコーディネイトが大好き。どの建物を観ても,外にも中にも惚れ惚れしています。なんでしょう,この美しさ。
観光業的にスター性のある観たい物は殆ど観てしまった私には,特にテーマを設けでもしなければヴィーンではネタを見つけられません。いつもトホホ物件ばかり探しています。
今期はユーゲントシュティールの建物をたくさん撮ろうと思い,資料も用意していたんですが,日照時間の短さに資料の半分もやれなかった…。
やっぱり夏じゃなきゃダメですわ。夏に行く事もあるでしょうから,その時までこの課題は持ち越しです。
本日は2010年1月17日。
現地では私,「…昨日の問題がまだ解決しないので,意気揚々と記事を書く気持ちの余裕がありません。暫しお待ちを。」なんて書いていたっけ。
この問題は確かに解決しましたが,その後時計を失くしたり,帰国してみると,まとめておいたはずの日本のキャッシュカードが見つからなくなったりと,また別の問題で落ち込んでおります。
失せ物(手許から永遠になくなる物に対して。自分の領内では,すぐに必要としない物はしょっちゅうなくなる)をしない事にかけては優れていたはずの私がこんな失態をするとは…。失くした事と自分がこんな失敗をするのかと云う二重の落ち込みで暗くなっています。