Sonntag, 30. November 2014

ウプサラ大聖堂 Uppsala Domkyrka

スウェーデン国内での移動を殆どした事がない私です。ストックホルムでもイェーテボリでも,入ったら入ったで遠足もせず,町の中だけで過ごしておりました。南西部では経験がありますがコペンハーゲンをベースにしての移動だったので,実感としてはかなり弱く。「いつかはX2000」と云う気持ちはあって,今回も3時間以内で着く町の情報もなんとなく仕入れてはいたものの,身体の疲れが尋常ではなく,先延ばしをする事に決めました。

しかし,「ストックホルムに帰って来たー!」をやってみたかった私は,それを味わうには近過ぎはするものの,いっちょ遠足を…と,ウプサラに行く事にしました。アーランダ空港からバス路線が出ているので,空港からの距離はストックホルムと大差ないんでしょう。

地下鉄でも近郊列車でもない,もっと気合いの入った移動をする為の列車に初乗車。終点はファールン,しかし私は残念ながら1時間くらいしか乗りません。



あっと云う間に到着。雨。初めは上っ張りのフードを被って歩き出したものの,それでは立ち行かなくなって,傘に切り替えてフードを頭から外しました。
雨は駅舎を出た途端勢いを拡大し,マックスな豪雨の中傘に頼って歩きました。やがて集中豪雨がおさまり,傘は不要と判断しフードに切り替えようと被った瞬間,背中が水浸しになりました。 しかも衣服と身の僅かな隙間を直撃!頭から外した間にフードが雨受けになっていたんです。レインコート素材の上っ張りを着ててこのザマ!
何がレインコートだ!と悲鳴を上げつつ,外目にはわからないビショビショの身体で先ずは大聖堂を目指しました。




バリバリの観光地ではありますが,天気のせいか時間のせいか,非常に落ち着いて観られました。だからでしょうが,装飾はハデでも静謐な印象も持ちました。

この国最古のウプサラ大学を創設したウルフソンと,植物学でお馴染みのリンネがここに葬られていますが,観光客ならマニアでもなければ彼等目当てにここには来ないでしょう。


ここの真打ちはやはり偉大なる国王,グスタフ・ヴァーサの墓なんだろうな…と,あからさまに解る演出が施されています。 スウェーデンの歴史に詳しくない私でもこの王の名は知っていますし,どんなニブい観光客でも滞在中に何度かこの名を認識する事でしょう。 それくらいいたるところで目にします。ガイドブックの教養コーナーに必ず載るクラスの偉人です。
この大聖堂には他にもやんごとなきお方々の墓がありますが,取り扱われ具合は段違い。棺収納部(これ,正しくはなんていうのでしょう)にも門扉?にも国章がついているのは確かここだけだったような。私の記録ではそんなに大きく見えませんが,現場に立つと結構な迫力があります。
天井画も完備。戦功を称えたであろう作品と,もうひとつは…わかりません。なんとなくフランスのあの人が描かれた物にも場面が似てますが,この絵では戴冠してないしなぁ。





私が訪れた日,何やら特別展示の準備をしていました。この教会にある宝物の,どうにも常設っぽい展示をその特別展示に巻き込んで,よくわからない状態になっていました。
やられたりやられなかったりで基準がわからないんですが,多分左のお方,平時には黄金の背景をまとっていないんじゃないかな…。この黄金がポイントなのかな,と思いながら見ていましたが,黄金の台には載っていても何もイジられていない展示物もあったし,ホントわかりませんでした。



だけどこれは間違いなく特別展示。素の状態で観たかったなー。


普段の宝物の置き場がわかりませんが,ま,おおむねこんな感じなのかな。このふたりは特別展示を担当しているのか,長い事音響をチェックしていました。




すぐ近くに小さい教会がありました。関係性はわかりませんが,大聖堂を観た後でも物足りないとは思わず,この小ささが好ましく思えました。





ストックホルムを出た時間が時間だったので,結局大聖堂以外を殆ど観る事なくウプサラを去りました。決断までウダウダし過ぎましたから当然ですが。
そんな理由で,この記事の件名を「ウプサラ」としなかったのです。町の事なぞ何もわかってませんので…なさけない。
そして,やっぱりこんな安易なやり過ごしでは自分を騙す事も出来ず,結局「ストックホルムに帰って来たー!」も満足いくものではなく。不発もいいトコでした。

Freitag, 28. November 2014

Bra Miljöval

5年ぶりのストックホルムでした。
この5年で結構色んな事を忘れるもので,昔は知っていたはずの事を着くと同時に思い出すには時間が経ち過ぎてしまっていたようでした。



Bra Miljöval。到着日,何気なく撮った物に移っていたこのマークについて,日本で見たお友達から訊かれました。
なんたる事か私,即座に答えられず…。


マーク自体は記憶にあって,何日かいる間に思い出せましたが,これは環境に負荷をかけない活動をして結果を出したと認められる事業体に与えられる,まぁ勲章のようなものです。認定するのは国内の自然保護団体で,監視?審査?の対象は化学製品,生活必需品(食べる物も使う物も),は勿論の事,物流・移動手段や保険にまで及ぶらしいです。
私は今までは出来上がった製品の安全性にだけ着目していましたが,多分彼等には完成品よりもそのプロセスの方が重要なんでしょう。改めて薄ーーく調べて,そんな気がしてきました。

Bra Miljövalの意味は「環境に良い選択」。名前を思い出しさえすればお友達にすぐに説明出来たものを…。


さて,私の上述した文章の中に「…は勿論の事,物流・移動手段や…」と云う箇所がありますが,物流云々も本来なら「勿論の事」の前に置いて当然だと思います。しかし,どうして私がそうしなかったかと言えば,この物流・移動手段の中に鉄道も含まれているからなんです。

日本には鉄道は環境対応型だとされる解釈がありますが,これは自動車に較べたらマシだし効率的だからと云う苦し紛れな言い分もに基づいているように思われます。…いや,これだって立派な理由ではありますが,なんと言えばいいのか…動かしている側はその事に胡坐をかいているだけなのでは?環境配慮の意識があるのだろうか?と云うところが気になるんです。完成品の性能機能に負うところが大きく,行動形態としては今までと変わっていないのではないでしょうか。積極性がないと云うか…。

この積極性を,Bra Miljövalを認定する団体は見ているような気がするんです。
スウェーデン国鉄の動力は自然エネルギー。アーランダ空港と市心を結ぶ列車に関しては100%だと案内モニタに表示されています。でも動力源だけに終わらない何か別の要因(車輛メンテの方法,手段,用具の組成等々)もあって,彼等はBra Miljövalを認定されたのではないかと…勝手に想像しております。…深読みし過ぎだろうか?



見難いですが,どちらの車両にもちゃんとBra Miljövalがついています。

Sonntag, 23. November 2014

現代美術館のニルス・ダルデル展 Nils Dardel och den moderna tiden

ストックホルムには自分が来なかった間に面白そうな美術館がいくつか出来てしていましたが,よりによって当局側の都合でそのどれにも入れなかった私は,昔馴染みの現代美術館と,並びの建築デザインセンターを観る事にしました。後者の事を私は建築博物館と呼んでいて,そう呼んでいたのは昔そんな名前だったからだと思うんですが,いつの間に「デザイン」がくっついたんだ?

この記事では現代美術館で催されていた,この国の画家,ニルス・ダルデルの特別展について申し上げます。
この美術館に来るまでダルデルの名すら聞いた事がなかったんですが,作風で19世紀末を生きた人だとすぐに判りました。素晴らしく病んでます。いい闇持ってます。この人の作品自体を大好きにはならなかったものの,闇の深さや世界観はイイ!強烈な印象を受けました。

展示品の撮影が許可されていたので,一部記録してきました。



左:黒服の男を殺す緑の寝間着の女
右:死の舞踏

 

死神の遣い-乾杯 (かなり訳に自信ナシ)



溺れ死んだ女



墓場のフィリップ
(これが飴缶のデザインとして使われたらしいオシャレさ…)



サンリスの埋葬


この他にも殺した人間の切り落とした生首を蹴るシーンとか,特定人物のイマワの際とか,まーー時代性に完全に則った作品が多く並んでいました。このとおり配色は明るめなので逆に退くと云うか……私はこの世界,大好きですけどね。印象派が大好きな日本人にはまず受け容れられる事はないでしょう。
 


Mittwoch, 19. November 2014

袋売り

スーパーで面白い物を発見しました。




ジャガイモと赤タマネギの袋売り。キロ単位です。
この店に納品された時の入れ物を専用の台にセットし,扉を開くとゴロゴロと出て来るような仕組みなのだろうと思われました。横っちょに立てられたロール状の袋に詰めていざ会計,かな。なんとも大胆,ドイツで観た事あるだろうか…。

この2種だけだったかはちょっと記憶にありませんが,接触衝撃に強い食材なら同様に取り扱われている可能性がありますね。
それにしてもジャガイモ,きれいに洗ってあるなぁ。


袋売りとはまるで関係ないんですが,ちょっと眼についてしまったのがキャットフード。
これだけ簡素な意匠,私の知る限り日本では療法食でしか見ません。しかしパッケージには材料と加工方法のみが明記されていて,どうにも一般食っぽい。
…それにしても大きい缶だなぁ。多頭飼いしていなければ一度の食事では1缶消費出来ないだろうし,鮮度保持はどうするのだろうか?

Sonntag, 16. November 2014

ローゼンダール庭園(2) Rosendals Trädgård (2)

脱線したまま戻れなくなった前回記事に続く,ローゼンダール庭園報告。こちらは画像だけで。