Mittwoch, 31. Januar 2007

ムンクの絵のような

私は19世紀半ばから後半の気が滅入るようなヨーロッパ絵画が大好きなんです。ラファエル前派,象徴主義,ユーゲントシユティール,アールヌーヴォー等ですが,それらは大体,イングランド,ベルギー,フランス,オーストリアあたりで盛んだったワケです。遠く離れたスカンディナヴィアではそんなムーヴメントは起こらなかったんだろうと私は思い込んでいました。健康的なイメージしかなかったし。
併しなんと実は存在していたんです。これと云うカテゴリー名がついているかは判りませんが,その手の絵画が結構な数,出た模様。ストックホルムの国立美術館で催されていた企画展で知りました。
この事を今頃になって知った私は大感激し,その後の予定を変更して当初は行く気になっていなかったティールギャラリーに向かいました。「19世紀絵画のコレクション」を銘打っているここに,国立美術館で衝撃を受けるまでは,最初の思い込みもあって殆ど期待感を持っていなかったんです。だけど事情は変わりました。
ティールギャラリーは16時で閉まります。午後に入ってからの訪問ではありましたが,当局のお姉さんと立ち話をする余裕もあり,鑑賞には十分の時間が取れました。


最上階にはムンクの間がありました。ムンクの絵画,習作数点とニーチェのデスマスク(ニーチェだったかムンク本人だったか…)。一段高くなったところに小窓がついており,ギャラリーの近くにある池?が見えました。


池に浮かぶ月。その光が水面に映っていたんです。尾を引いて。
最高のアングルでした。これはまさにムンクだ!と思った私は,ギャラリーを出た後,そこに向かいました。
いや,ムンクはスウェーデンの画家ではありませんけどね。

閉館時間直前までギャラリーにはいましたので,これはつまり16時台の空の色。ストックホルムでは冬,13時台で既にお陽様は傾き始め,14時台が夕陽のピーク,15時台で空は青くなり始めます(こっちも見てくださいね)。



本当は水面の最上部から尾を引いてくれているともっとよかったんですが,素晴らしくステキでした。
また観に行きたいなぁ。




気付けば20以上もの記事を載せてしまっていました。力入れてたからなー,ストックホルム…。
本当は滞在の一日をウプサラで過ごそうかとも考えていたのですが,冬は遠足のし甲斐がない事を面倒に感じてやめてしまいました。
尤も,ストックホルムに飽きてしまっていれば甲斐はなくとも出掛けてはいたでしょう。正味5日でしたが,まるで萎える事無く,堪能しました。
でもまだ足りない。ホントに私,近いうち再訪すると思います。勿論夏。
その時は夜景が激減する筈。今期とはガラっと変わった収穫が上がりそうな気がします。
それでは,これにて長い長いストックホルム報告を終わらせていただきます。来月以降,パタッと更新しなくなると思いますが悪しからず。

ストックホルムの夜百選

また「百選」です。
ここまでの記事で載せきれなかったけどお見せしたい,ストックホルムの美しい夜。















ガイドに載らないストックホルム

って別に夜遊び場とか危険な場所のハナシをしようというのではないんですけどね。
ナカナカなのに,もっといい他のポイントに紙面を割かれていまいちフィーチャーされにくい,そんなスポットをここでお見せしましょう。


グローベン。
巨大なガスタンクのようなこれは,各種イヴェントを行うアリーナ施設です。収容人員数,規模ともに世界規模で見ても度肝を抜かれる物件である様子。ストックホルムの南部では,いたるところでテッペンが見え隠れしています。
この名の駅とアリーナの間にはグローベンシティと云う商業施設があります。歩き方を指南するあのガイドブックでは確か区別されていなかった(買い物する場所も"グローベン"だった)ように思われますが別物みたいですな。
このグローベンシティは, 高感度気取りの雑誌系ガイド各種や北欧のスタイルを崇拝する書にはまず登場しません。ごくごく庶民的な,特に日本の観光客なら行きたがらないであろう品揃えです。ヴィーンで云えばガソメーターと同等かな。
一方のアリーナはと云うと,建築本がリスペクト心丸出しで取り上げる傑作。どう傑作なのかは素人の私では解りません。でも兎に角,その道の人なら萌えてしまう建築物であるようです。ホームページに詳らか也(でもこの情報についてはスウェーデン語しかない…)。








エステルマルムのサルハール(スイマセン,発音に自信はありませんが)。
屋内市場みたいな感じですね。中はこの画像の通り。
ナカナカ楽しい施設なんですが,この手の物と云うと,ガイドブックではヒョートリエット(→)ばかりを取り上げていて,見た事がないんです。
エステルマルム自体はスカしたガイドには必ず出ていて"ちょっとスノッブなオシャレエリア"みたいな地位を与えられているのにもかかわらず。
実は私,10年前の訪問でこれを偶然に見つけたんです。非常に気に入ったんですが,名前も場所も把握せずにいた物ですから,どこにあるのかまるで判らなかったんです。
で,地図を見て,道の伸び方が似ている別の場所を「ここだろう」と思い込み,向かったのですが完全に間違い。でもそこから歩き進めるうち,なんと辿り着いたんですね。我ながら大したもんだった。
因みにサルハールとは固有名詞ではないみたいで,別エリアにもこの名の施設はあるそう。しかも同カテゴリーの店とも限らないみたいです。次回行ってみましょう。







地下鉄カーラプラン駅周辺。
上記サルハールはここにあるのだろうと間違えて降りた駅がカーラプラン。
目指す建物が見当たらないので,仕方なく次の目的地,エステルマルムの中心地区を目指して歩き始めると,そこかしこにステキなお店。
ストックホルムをもっと知ってからでは「これで普通だ」と思ったでしょうが,まだそれに気付く前だったので,「なんだここは」と驚いてしまいました。そして同時に「どうしてこんなステキな場所がガイドに載らないんだ」と疑問した物です。この点も,より詳しく観た後では「あの程度では載らない。もっとまとまった場所が優先されるのは仕方ない」と思うに至ったのですが…。
いや,でもだからと云って物足りないって事はありません。数はガイド級のスポットには負けますけれど,それぞれがとてもステキな店でした。もっと写真を撮ればよかった…。






そしてこれは宿題。
ロスラグ路線と云う,なにやらショボい路線です。Sバーンの類みたい。短くて小汚い水色の車輌がチンタラと走っていました。植物園のすぐそばを通っていました。
乗ってみようか…と時刻表を見たら尋常でない時間,待たなければならない時間帯だったので断念しました。どこを通ってどのくらい活用されているのか,まったく情報がありません。これも次回,乗ってみようか知ら。

あかり百選

今期訪れた2都で,私は照明設備に注目していました。
街灯はヨーロッパの古い町並みに似合います。今は勿論電気式ですけど,それでも味わいがありますよね。

ストックホルムの夜は,一部を除いてちゃんと暗いです。
無闇にビカビカと照明しないのが彼等流なんですって。陰影礼賛でもあり,環境政策でもあるか。
私個人は都会育ちではないので,暗いのは怖くありませんし,暗い事に慣れていますから,全く問題ありません。
ストックホルムは治安のいい都市ですしね。


    

    



周りを暗めに設定しているからこそ,こんなシーンが映えるんですよね。
特に右の写真(雑貨屋さんの一部を利用したカフェ的な施設……だったように見えた)は,この程度の規模の照明だけで全てを語ろう(?)と云うのですからステキ。
ケバケバしくする必要なんてないだなって実感します。

Freitag, 26. Januar 2007

センスの源

「スカンディナヴィア人はインテリアセンスに優れている」とよく言われます。
寒い季節が長いから家の中に凝るのだとか。この方面に長けているのはスカンディナヴィア人だけとは思いませんが,確かに,彼等のセンスはよさそうです。デンマークでもそうでしたが,ストックホルムで私は特にそう思いました。
この考えに至らせた物,それは「なんでそんなにあるんだ?」と訊きたくなるほど存在するインテリア店。兎に角そこらじゅうにあって,それぞれ繁盛してそうです。高い家具の店でも,客がいなくて入りづらいと思った事がありません。必ず客はいました。


    

  

    


家具は扱わずとも,照明店,雑貨店,布者屋等,インテリアにかかわる店も,もちろん星の数ほど(と思うくらいたくさん)あります。こうした家具店,インテリア店は市が発行しているガイドにも掲載されているので,まぁ「町を上げて」的戦略もあるのかも知れません。
スカンディナヴィアではありませんが,過去,フィンランドに行った時,友達の家,その親戚の家数軒にお邪魔しました。特別高感度なタイプではないのにどの人もステキに部屋をまとめていたので,国民の水準の高さに舌を巻いたものでした。
こんな環境にいればセンスが磨かれるのも当然でしょう。羨ましい限りです。

私は昔から,家を改める時はコペンハーゲンかストックホルムに出掛けて家財道具を揃えると決めておりました(今フィンのハナシもしたけど…。……ヘルシンキもいいな)。
まだそのチャンスは来ていませんが,近い内,必ずこの目的でも!

Montag, 22. Januar 2007

ストックホルムの旧市街(2) Gamla Stan (2)

ガムラスタンの夜です。
昼の賑わいもいいですけど,夜のひっそりの中をそぞろ歩きするのもまたステキであります。寒いけど。
人気が減り,周囲が真っ暗になると,店のディスプレイが日中よりも目に付くようになります。さっき申しましたように,このエリアにはアンティーク店やクラシックな店が多く(ストックホルムの場合,色んな地区に色んな店があるので,"アンティークならここ"みたいな物言いは適切ではありません。自分で言ってちょっと気になったので,念の為),ディスプレイも凝っていてとてもステキなのです。
そんなクラシックなラインナップの中に,突然モダンな店があったりするのもまた面白い。












ストックホルムの旧市街 Gamla Stan

これを載せないと,ストックホルム経験者からお叱りを受けそうです。
ここを中心に,ストックホルムは拡がっていったようです。王宮や議事堂等重要施設が建っている,核になるエリア。
また,そう云う古い地域のお決まりパターンとして,古いものを愛するヨーロッパ人が魅せられるクラシックな通りや古い建物が散在し,小洒落たカフェやらアンティーク店,雑貨屋やらが軒を連ねる,絶好の散策スポットとして愛されています。観光客なら誰もが馳せ参じるであろう一角。ヴィーンで云えば当然,1区ですな。

ベルリンのケルン地区もそうですが,今は巨大(東京に親しんだ者にとってはそれでも控え目な方ですが)な都市でも始まりはあまりに小さかった事にいつもビックリさせられます。



この兄さん,無防備な状態でいきなり遭遇するとギョッとしますよ。
とは云えナカナカの人気者のようで,兄さんと並んで写真を撮るアホは結構います。