ムンクの絵のような
私は19世紀半ばから後半の気が滅入るようなヨーロッパ絵画が大好きなんです。ラファエル前派,象徴主義,ユーゲントシユティール,アールヌーヴォー等ですが,それらは大体,イングランド,ベルギー,フランス,オーストリアあたりで盛んだったワケです。遠く離れたスカンディナヴィアではそんなムーヴメントは起こらなかったんだろうと私は思い込んでいました。健康的なイメージしかなかったし。
併しなんと実は存在していたんです。これと云うカテゴリー名がついているかは判りませんが,その手の絵画が結構な数,出た模様。ストックホルムの国立美術館で催されていた企画展で知りました。
この事を今頃になって知った私は大感激し,その後の予定を変更して当初は行く気になっていなかったティールギャラリーに向かいました。「19世紀絵画のコレクション」を銘打っているここに,国立美術館で衝撃を受けるまでは,最初の思い込みもあって殆ど期待感を持っていなかったんです。だけど事情は変わりました。
ティールギャラリーは16時で閉まります。午後に入ってからの訪問ではありましたが,当局のお姉さんと立ち話をする余裕もあり,鑑賞には十分の時間が取れました。
最上階にはムンクの間がありました。ムンクの絵画,習作数点とニーチェのデスマスク(ニーチェだったかムンク本人だったか…)。一段高くなったところに小窓がついており,ギャラリーの近くにある池?が見えました。
池に浮かぶ月。その光が水面に映っていたんです。尾を引いて。
最高のアングルでした。これはまさにムンクだ!と思った私は,ギャラリーを出た後,そこに向かいました。
いや,ムンクはスウェーデンの画家ではありませんけどね。
閉館時間直前までギャラリーにはいましたので,これはつまり16時台の空の色。ストックホルムでは冬,13時台で既にお陽様は傾き始め,14時台が夕陽のピーク,15時台で空は青くなり始めます(こっちも見てくださいね)。
本当は水面の最上部から尾を引いてくれているともっとよかったんですが,素晴らしくステキでした。
また観に行きたいなぁ。
気付けば20以上もの記事を載せてしまっていました。力入れてたからなー,ストックホルム…。
本当は滞在の一日をウプサラで過ごそうかとも考えていたのですが,冬は遠足のし甲斐がない事を面倒に感じてやめてしまいました。
尤も,ストックホルムに飽きてしまっていれば甲斐はなくとも出掛けてはいたでしょう。正味5日でしたが,まるで萎える事無く,堪能しました。
でもまだ足りない。ホントに私,近いうち再訪すると思います。勿論夏。
その時は夜景が激減する筈。今期とはガラっと変わった収穫が上がりそうな気がします。
それでは,これにて長い長いストックホルム報告を終わらせていただきます。来月以降,パタッと更新しなくなると思いますが悪しからず。