Montag, 27. April 2015

国立ギュスターヴ・モロー美術館 Musée national Gustave Moreau

今は世界の色んな場所が色んなメディアで取り上げられていますが,我々日本人に与えられる外国文化の情報と云えばロンドン,パリ,ニューヨークが御三家だった時代に私は居合わせました。欧州なら行く機会に恵まれるので,ロンドンとパリについてはそこそこ情報を収集していましたが,なんたる事かロンドンには行けばいくほど興味がなくなり,ナゼだかパリにはこの時まで来る事がなく。

その時に知って,強烈に行きたいと思ったのがこのモロー美術館でした。モロー本人によって国家に作品ごと寄贈されたアトリエ兼私邸。そこに立ち入る機会を与えてくれているとは嬉しい限り。






3階建ての建物のゼロ階だけ展示がなく,また1,2階でもモローの生活スペースはトイレ以外観る事が出来ません。
美術館としては小規模ながら満足感が大きいのはこの「余白?知るか」とばかりにギュウギュウに架けられた作品群のおかげでしょう。スケッチや小品も豊富に展示されています。
1,2階間は螺旋階段で行き来するんですが,ラディオフランスのオーケストラが去年ここで室内楽(だろうなぁ,会場の規模的に)のコンサートを開いた際この階段が宣伝写真に使われていて,建具と壁と絵画の色のバランスが美しくて,行く前から憧れていました。

当たり前ですが,とにかくモローてんこ盛り。何者にもジャマされない,モローだけの世界。なんたる贅沢。大感激。そのごく一部(しかもそれぞれが絵画の一部)を。
いやー美しい。







出掛ける前に読んだ多量の本のどれかで,ここの最大の客が日本人だと書かれていたんですが,私が行った時は殆どが欧州人で,自分含めて東洋人はほんの数人がいるのみでした。若めの韓国人がセルフィーに挑戦していましたが,それと知られるのはイヤみたいで,だいぶ控え目に,でも成功するまで何度もやっていました。

Dienstag, 14. April 2015

用済みのクリスマスツリーを…

大昔ドイツ(だったと思うけど…)で観たイケアのコマーシャル。「スウェーデン人はクリスマスが終わると窓からツリーを投げ捨てる」と云う物でした。
その後スウェーデン人から「投げ捨てはしない」と聞きました。専用の廃棄場があるとか専門業者がいるとか,ちょっと思い出せませんが,要するに無責任に投棄する事はないみたいです。

その割に歩道でむき出しのツリーを見かけるんですが,あれはまぁ…高所から投げたワケではないのでしょう(…このハナシ,前にもしているかも知れません。そんな気がしてきた)。

そしてそれは,フランスでも同様のようでした。



  
   

壁に沿って置いてあるあたり,やっぱり出しておけば回収してもらえるシステムなのかなと。
真ん中のはちょっと気になりますけどね。投げ落とした結果,つまり着地点のようにも見える…。

環境意識が日本と比較にならないくらい高い割には毎年のように大量の生きた樅の木(間伐材だなんだと言うんだろうけど)に,わずか数週間の遊興目的の為にチェーンソーを当て,用が済んだらゴミにする欧州人の神経はちょっと解りませんが,どうしてもそうしたいんでしょうね…うーん。

Donnerstag, 9. April 2015

音楽博物館 Musée de la musique

町の中心から少しばかり離れたシテ・ドゥ・ラ・ミュジークなる複合音楽施設にある博物館を訪ねました。 この音楽施設がどう「複合」なのかは解明出来ませんでしたが,ここには既に竣工していたであろう(私が行った時は供用直前)フィラルモニー・ドゥ・パリが入り,サル・プレイエルからオルケストル・ドゥ・パリ(フランス放送のオルケストルも?)が拠点を移しました。根拠のない憧れをサル・プレイエルに持っていた私としてはかのホールでのコンサートの機会を失った事が甚だ残念なんですが,まぁ仕方ない。



上段真ん中がフィラルモニー・ドゥ・パリ。私が帰国して1週間やそこらで杮落とし(泣)。まぁ仕方ない…ここでもまた。
その割にはいつまでも重機を置いてるし,建物の周りも片付いてません。そんなもんなんでしょうか。


博物館内には17世紀から現代までの主に欧州の楽器と,音を出す手段(現代のコンピュータ等)が時系列に展示されています。最後に所謂エスニック楽器が結構な数並べられていますが,もうその時点ではグッタリしていて何を観たか憶えておりません。
オーディオガイドと時々現れる動画で情報は十分(オーディオガイドでかなり疲労する)です。そして毎日の事なのかはわかりませんが,私が出向いた日にはアコースティックギタリスト(なんて言葉あるのか?)が来てライヴ演奏を行っていました。その音が次の展示室にまで流れて来,集中を大いに妨げられた…のを,今思い出しました。







3段目の左,弦楽器が大量に並べられていますが,これなんと,クレモナのヴァイオリン群なんです!大量のストラディヴァリウス,少しのグァルネリ。どうかしてます。ここだけで警備員が必要な数です。こうしているのも理由あっての事なんでしょうけど,閉じ込めておくより名士に弾かせた方が楽器の為になるんじゃないかと思いました。
その下の段,左は超巨大なオクトバス。真ん中はベルリオーズの幻想交響曲のセット。右はヴィオラ。見た事ない物ばかりで楽しめました。

そしてこれ。気に入った顔面コレクション。コワモテ揃いなのがイイです。魔除け的な目的があっての意匠?




少なくはありましたが子供向けの体験コーナーがありました。楽器の材料を触ってみたり,物によっては鳴らしてみたり。残念だったのは最後のテルミン体験コーナーが機能していなかった事。ヴィルトゥオーゾ(テルミンにもいるのか…)による演奏試聴は動いてましたが。

Mittwoch, 1. April 2015

コンコルド広場…の周り

ひとつところには何度も訪れられなかったパリ滞在中,交通上の理由ではありましたが,ここには度々来ました。
本当はとても広くて開放的で素晴らしい広場なんでしょうが,いつ行っても車が美観を損ねるわ危ないわでゲンナリ。広場全景なんて撮れやしません。






気高く咲いて美しく散る例のアレを観ずに育った私はマリー=アントワネットに対して特別な思い入れを持っていませんが,敵意もなく…いや,出自を考えると寧ろ多少は味方したくなるか。本当はマリア=アントーニアと呼びたいところです。
ここはフランス革命時に多くの王族貴族を公開処刑した場所だそうです。勿論ルイ16世とその妃も。が,刑場だった事を認識したのが事後…いくら熱烈ファンでなくても,知っていればそれなりの観方をしたろうに。


ところで,上にも貼りましたがこの観覧車。普段はどうなのかわかりませんが,私が観た限りでは多色展開のギラギラした動く電飾を施されていませんでした。ここから延びるシャンゼリゼ大通りの電飾はそれなりにハデですが…これも彼等なりの美的感覚に基づくのか。色がついていれば勿論綺麗だと思ったでしょうけど,単色,それも白なんてシックで素敵でした。