Montag, 23. Januar 2006

他いろいろ

既に知られているように,私はドイツが大好きです。
併し多くの我が知人とは違い,私にとっては,ドイツだけがヨーロッパではありません。
私は基本的には,「夏は***(ヨーロッパのどこかの国)とドイツ」「冬はヴィーンとドイツ」と云うバカの一つ覚えスタイルを採用しております(この冬は,その前の夏に訪れたからやめましたが)。ドイツは,訪欧の際必ず,もうそれこそ1日でもいいから立ち寄りたい国ではあるけれど,ドイツだけ行ければいいと云うのも,私には違うのです。いろんな国に行って,それぞれの良さを見つけると,好きな国が増えます。勿論合わなかった国もあります。


自分に合った国の一つ,それがデンマークでした。スウェーデンは,合う合わないを語れるだけ観てはいませんが,きっと,大好きになると思います。
オランダも好きです。ただ,アムステルダムはカオスの顔も持っていますから,時には気合いが必要。他の小さい町はなんともステキですよ。

大国の周りの小国を好きになると,結構目に付く事もあるんですよね…,大国意識が。
例えば,デンマークやオランダのホテルではドイツ(勿論英,仏,伊,他も)のテレビ放送を流しますが,ドイツでは圧倒的にやっていません。ハンブルクなんて,イタリアよりデンマークの方が近いのに,です。こうした傾向は他の大国にもあると思います。ブリテン(かの国でのホテル経験はケンブリッジだけですが)ではもっとヒドかった。英語放送以外流していませんでした。勿論これはひとつの例に過ぎません。人と話して感じる事も多々あります。
小国ではこうするしかないんでしょうが,大国がそれに乗っかっているのもどうなんでしょう。
これは多分,大国の人間には解らない事柄だと思います。いや,解れないでしょう。その点で大国人は盲目だと思います。
勿論,だからと云って大国嫌いになると云う事ではありません。プラスの面だけ見る人間でいたくはありません。相変わらずドイツは好きですし,浮気心はあれど,私にとっての第一外国語がドイツ語である事に揺らぎはありません。

こんな文面の延長にこれを載せると関係あるのかと…云うとそんな事はありません。これは今回発見したステキなお店です。コペンハーゲンでよく見ましたが,この写真はアムステルダム店の物。帰国後,どうやらデンマークのブランドらしい事を知りました。
コペンハーゲンでは「UDSALG」「REA」「SALE」…(後は自分が言葉を知らなかった)と続いていたこのセール表示(初めのは丁語,次は瑞語です)。こちらでは南仕様ですね。蘭語「UITVERKOOP」はディスプレイ最前面に独立表示されていました。

それから私はこの報告書の中で「北方ヨーロッパ」なる言葉を使いました。
日本の多くのメディアは,ヨーロッパ大陸の上方にあり,かつ昔から西側だった国を全て「北欧」とくくり,それをScandinaviaの対応訳語として採用しています。これは学術者に言わせると誤りです。
アイスランドを入れるのかについては自信がありませんが,国家としてのフィンランドは間違いなくスウェーデン,デンマーク,ノルウェーと民族的ルーツを共有する仲間ではありません(一般的に。北極圏では文化が同じかも知れません)。
こうした「北欧」解釈が存在する以上,私はこの言葉を使いたくありませんので,「北方ヨーロッパ」に逃げました。Scandinaviaと「北欧」は切り離して考えたほうがいいと思うんですがね。
※コペンハーゲンのセブンイレブンとマルメの建築のクダリでは敢えて使いましたが,これは演出の為です。

ああ,ギャアギャアとうるさいですね。スイマセン。
ここを読んでくださったアナタ,向学心と聞く耳をお持ちですね。

さて,これで私の冬休み報告を終了させていただきます。
長々とお付き合いアリガトウございました。

アムステルダム Amsterdam

最後の日,同日乗り継ぎで普通に帰るとコペンハーゲンを6時台に出なければならず,それを嫌って2回に分けて帰る事にし,どうせならアムステルダムに正味1日…,と2泊しました。
それだけではなく,諸事情により初日にも泊まったんですよ。だから合わせて3泊。


  
私がこの写真を撮ったのは初日・12月29日です。晦日前だから,ヴィーンみたいにそろそろソワソワしだす頃なんじゃないかなと期待していたんですが,ごく普通でした。
でもやっぱり,ヨーロッパではスケートですよね。それでなくてもスケート王国だし。



これも初日の写真です。夕方は収まっていたんですが,日が暮れてしばらくすると大降り。
誤ってフラッシュ付きで撮ってしまったんですが,そのおかげで当日の惨状(大袈裟)が御想像いただけるのではないかと思われます。





 
一夜明けて。私の滞欧期間では,年が変わる頃が最も降った時期でした。
1月1日に入ったコペンハーゲンでは,既に時期が過ぎて(?)おり,降雪には遭遇しませんでしたが,融け残りの山(灰色。汚い)が至る所にありました。
この落書き,なんて書かれているか解りません。このすぐ近くにゲイシヨップがありました(赤線地帯じゃないのに自然に出店してます。さすがアムステルダム,と云ったところか)。どうしよう,ヘンな内容だったら…。

 
 

アムステルダムには再開発地区が結構あり,その中でもここは面白い!と言われているのが
KNSM島です。かつては海運業者がいた島みたいですが,再開発の結果,建築マニアが喜ぶような建物が建ち並ぶ居住区になりました。
 
 
この島を訪れたのはこれが2回目ですが(なんだか私,同じ事ばっかりやっている気が…),初回訪問に比べて手持ちの資料が充実したので,より広範囲に楽しい物件がある事を事前に知っておけ,広い範囲を観て来ました。
こんな橋,前には気づかなかった(存在してなかった?)。
 
 
ジェットコースター的コワさもあります。特に上る時は先が見えないので,「この先大丈夫かよ」とビビってしまう。
コワさを増幅させるのは最上部で外に反り返っている柵(?)です。うっかり寄りかかろうものなら…!落ちはしませんけどね。

マルメ Malmö

2000年7月に開通したエアスン橋を渡り,南スウェーデン,スコーネ地方の都市マルメへの日帰りトリップをしました。
前回の訪問は2000年8月で,行きの機内で橋の開通を知り,単純に橋を渡ってみたくてマルメ入りはしていましたが,その時は地図もなく,また面倒がって両替もしなかったので,駅からあまり離れては歩けませんでした。

その時に比べて小地図を携え,SEKも用意した今回は行動範囲を拡げる事が出来はしたのですが,風は吹くわ一時雪は降るわで随分と寒い日でした。



















  
  


北方ヨーロッパは建築やデザインをやっている人にとって,ある意味聖地みたいなもんです(よく考えれば大陸でも面白い建築ムーヴメントはあるんですが,どうも「北欧」がフィーチャーされる事が多いです)。
旧市街はとにかく可愛らしくても,一歩出てみるとこうした建物に出くわしたりもする。ちょっとだけ予習はしておいたんですが,現地に行ってみると寒さで探す意欲が萎えてしまった。









デンマークとスウェーデンでは,よく旗を見ます。
何かにつけて旗。デンマークでは国旗柄の包装紙も売られています。
良性ナショナリズムと申しますか,見ていて気持ち悪くないんですよね。星条旗の乱掲が連想させる国威の対外過剰アピールと云う印象もまるで持たない。自然に出来るところが羨ましい。我々があちらくらい日の丸を掲げてたら,ミギか!?と思われるのがオチですもんね。
我々って,屈折してるんでしょうね…。

コペンハーゲン København

北方ヨーロッパの既踏3カ国(Fi,Se,Dk)中で,最もよく見知った国がデンマークです。
2回めに訪れた2000年夏から,大好きになりました。
とは云え5年も経っており,場所場所への具体的な行き方は既に覚束なくなっている上,昔はなかった地下鉄が開通し自分の心がバスから遠ざかったせいか,結局随分とムダに歩いていたような…。
因みに初めてかの地を訪れた時は,空港から市心までの列車は走っていませんでした。
ヴィーンと同じ。変わっていないようでいて,少しずつ便利になっているんだな。
この尖塔を持つ教会に,私はずっと憧れておりながら近くに行けずにいました。
3度目にしてやっと真下まで到達!併し冬場は塔に上れません。












  

  

日中の写真が少ないのは,空が美しくない上にすぐに暗くなってしまうからです。
だから夏場と違って,夜景撮りの機会には事欠きません(夏は暗くなるのを待っているうちに疲れてしまう)。
日頃の夜景撮りは,本番(この時)の為の自主トレみたいなものです。


でも,寒い!めったに晴れない上に雪の融け残りで視覚的な効果は十分。
風でも吹こうものならもぅー,ひたすらブレますよ。真っ直ぐ立っているつもりでも,実は立ってられないでいるんですね。
しまいには2℃(-1℃から+1℃)の差が身体で判るようになりました。
毎日,この気温計をチェックしておりました。精度についてはよく知りませんが。







 
 
 
コペンハーゲンでステキなのはなんと云っても花屋さん,アンティーク店,そして照明店です。
デンマークには優れた照明がたくさん存在し,多くの場所でそれらは使われています。ホント,いたるところで見ます。


「デンマーク人はオシャレをしない」と世の中では言われているようですが,私は女子の服装の可愛らしさに驚きました。クソ寒いのにスカートにブーツ,そのスカートも大人!キャリア!ってタイプではなく,ガーリッシュなんですよ。
色の使い方がウマい女子も多数。同じ色を効果的に使ったり,冬空にはまぶしいような強い色のコートを着たり(また金髪に映える!)。メチャメチャ,私好みでした。そんなカワイイ人たちの写真でもあればいいんですが,私は道行く人を勝手に撮るほど分別ナシではありません…。
また,冬のセールシーズン,ヴォリュームの出るティアードスカートがとにかく出てました。エスニック(私のニガテなジャンルです)に走りがちなのが多かったのですが,中にはイケる!と思った物もありました。
ちょっと欲しくなったんですが,体格の差で泣く泣く断念。
それから,彼等にしてみればファッションではないんでしょうが,長靴姿がホントにカワイイ!基本的にブーツでも長靴でも,ズボン物はインでした。ポップな色の長靴を敢えて選択して,ポイントにしてるんですね。軽度の長靴熱に浮かされ,アムステルダムでではありますが,買ってきてしまいました。
殿方,タイクツさせてしまい申し訳ありません。もうオシャレのハナシはやめますね。


おっとこれも入れておきましょうか。
きっと北方ヨーロッパ帰りの全ての日本人は友達に「北欧にはこれがあるんだぜ!」と自慢げに話しているんでしょう。そのベタな画が容易に想像出来ます。
私の場合,確か身内に先を越されてやらなかったんじゃないかと思いますが,とにかくあるんですよ,セブンイレブンが。
とは云え日本のほど充実してはおりません。でも店の閉まるのが早い北方ヨーロッパでは,重宝する存在ではありそうです。
私は前回か前々回の訪丁の際,ここのセブンイレブンで,かつてデンマーク水兵(兵役少年と思われる人。自信はまるでない)を見,その制服のあまりの可愛さに衝撃を受けました。
今回は残念ながら,そんな人たちをまるで見ませんでした。

フェーマーンベルト Fehmarnbelt

ハンブルクからコペンハーゲンまでの移動は基本的に鉄道でしたが,一部海路を航行するんですよ。
フェリーに車両ごと乗り入れるんです。
これに私は昔から漠然と憧れていて,独丁国境を越える場合は是非ともこの路線を,と思っておりました。
他にも方法はあるみたいなんです。フレンスブルクからそのまま地続きになっているユラン半島(デンマーク領土)からフュン島を通過してシェラン島に入ると云う。でもやっぱり,こんな時ではないと出来ない越境をしてみたい。







私が選んだ便は,たまたまこの憧れのルートを通る物でした。どうなるんだろうとちょっとドキドキでしたが,乗ってみました。
問題の箇所に差し掛かると,徐行を始め,車両を切り離して格納しているのか,中での作業は見えませんでしたが,やがて真っ暗になったので,"入船"した事は判りました。
乗客は車両から出てもよいらしいので,そばにいた黒人少年に教えてもらって(独語の解る子でした。ありがたや),勝手に船旅気分を味わってきました。








 





船上で送信したSMSはドイツ発信扱いになってはいましたが,「ここはもうドイツじゃない,デンマークだ」そんな気分にさせるツールが揃っています。乗客も北方の顔が多く,船内は空港よろしく免税店あり両替あり,カフェで軽食も摂れます。








 
さらばドイツ!

 
来たぜデンマーク!



写り方を心得ている,マイ角度を持った子でした。何度もポージングをしてたんですよ。
ギャラリーも随分集まっていました。