Montag, 19. März 2007

夭折のインダストリアルデザイナー 森谷延雄 Nobuo Moriya "The Dreams of a Taisho Period Designer"

週末,地元では"タックスタワー"と揶揄される佐倉市立美術館に,件名の展覧会(ショボいHPですが)を観に行って来ました。インダストリアルデザインの大正ロマン…。どんな物だろうと興味が湧きまして。
ここでとりあげられている森谷延雄はこの佐倉市の出身で,修学後,欧州に留学し,その後後進の指導にあたる傍らグッドデザインを庶民の手に届く物にしようと家具工房「木のめ舎」の設立に尽力した人物です。
併しその家具工房のオープン直前に死去。僅か33年の人生でした。


事前知識が殆どないままで観に行ったので,驚きました。日本にもこんな人がいたのかと。
私はホフマンとマッキントッシュが大好きで,ヴィーンとグラスゴーにも勿論足を伸ばしました。
勿論森谷はユーゲントシュティールをリスペクトしていたのでしょう。留学中もホフマン詣でをしていましたし。日本で突然興った様式の筈がありませんから,氏がこの影響を過分に受けていた事が判ります。
これを「ただの夢見がちな模倣」と酷評した人間も当時はいたとか。日本人なんて模倣するだけ(言い過ぎか?)の人種なのにさ。
氏は併し,ヨーロッパでドイツ表現主義の風に当たり,欧州式をマネるだけでなく,日本の良さに眼を向けるべきであると考えるようになります。氏のデザインはその後,多少変化します。

展示物は当然撮影出来ませんから,ここでは世の中に出回っている資料を拝借して一例を。
埼玉県深谷市にある誠之堂です。但し,森谷は設計者ではありません。内部装飾の監修程度でした。




渋沢栄一の功績を称えんが為に建築された,記念館?的な建物。直線と曲線のバランス,ステンドグラスの意匠に19世紀末の時代様式が見て取れます。装飾要素は多めであるけれど,静謐な印象を受けます。ホフマンよりもマッキントッシュに近いように見えますが,気のせいかも知れませんし,自信は全くありません。

本当は木のめ舎の家具や,京都帝国大学楽友開館の資料があれば載せたかったのですが,残念ながら森谷の情報は実に少なく,これで精一杯でした。手がけた建築物からザッと探してはみたものの,建築家の手柄としての掲載ばかりで,森谷の名前は出て来ない。残念です。




先々週に較べて気温が下がった関東地方ではありますが,この日はよく晴れ,日中は暖かく感じました。やっぱり春なんだなぁ。



An exhibition of works by furniture designer and interior decorator Nobuo Moriya, who passed away at the age of 33. Moriya lived through the blossoming of the romance-filled culture of the Taisho Era, brought on by the buoyant economy that followed World War One.

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