Dienstag, 8. Mai 2007

番外編 大使夫人のガーデニング

特産かどうか判らないのですが,それぞれのブースで目を引いた植物をフィーチャー。昨日は出展順に並べましたが,今日は高緯度から低緯度に並べ替えてみます。
なお,特別に強い印象を持たなかった,或いはいい写真を撮れなかったスイス,アルジェリア,サウジアラビアは割愛いたしました。




アイスランド

緯度が高いと日照量の関係で強烈な色味が出ず,またそこで生活する人間もどこか原色よりは中間的で優しげな色を好む,と色彩学専門家の書で読んだ事があります。言われてみると日本のウザい”北欧ブーム”ではこうした色が頻繁に登場します。現地に行くとヴィヴィッドな色もよく見ますが,それは長い歴史で育まれた物ではないのかも知れません。
アイスランドでは黄色が目立っていました。水色,白系統の花も多用されてはいたのですが,やはり印象に残ったのは黄色。でもドギツくなく,やっぱり控え目でした。
赤系統の花がなかったのは大使夫人の好みによるためかアイスランド由来の植物には存在しないのか。ちょっと判りませんが,イヌイット(これはデンマークですけど)の子供が描く太陽は緑色をしているんだそう(上述の書に拠る)で,何か関係があるのかも知れません。



英国

英国自体は私の大好きな国ではありませんが,やはり庭に関してはウマいと言わないワケにはいきません。とりたてて珍しい/印象深い植物は使われていないのに感動的な仕上がりなのは色の組み合わせの巧みさによるのでしょう。そんなワケでここでは花のアップではなく全体像をお示しします。
基本的にピンクから青までの色でまとめられていて,差し色として時々黄色が登場。隙間を埋めるのは白い花です。そして,これらの色の花がとにかく多種。背の高い花が目立ちますが,その下に小花が植えられていますが埋もれる事無く存在を主張しています。
それと小道具遣いのウマさです。この鳥小屋!藤をからませるとはなんと素晴らしい。



フランス

さすがこちらもお上品ですが,英国に較べて散漫な印象を受けました。全体図を御覧いただければ,目立つのは薄黄色とオレンジですが,このように補色である紫が効果的に配置されています。
裏に回るとバラ園の雰囲気。こちらはピンクから白までのグラデーション。快活そうな表面と違って楚々としたイメージ。



スペイン

受け付けを過ぎると最初に登場するのがスペインのブースです。この実(なんだったかなぁ,レモンかな?)を最初に見て,さすが地域柄が出たと思ったものでしたが,後からこれが珍しくもなんともない出展物だと云う事がわかりました。
このピンクのは紫陽花。ナゼ?と思ってしまいましたが,こう思ったのは私がこの国について無知だからでしょう。



パナマ

このあたりから木ではなく草(相当デカい),黄緑ではなく深緑が前面に出て来ます。湿度もグッと上がります。
色味は更に強烈になります。「色鮮やか」程度の言葉では済まない毒々しさがあります。
カエル君は勿論作り物。ネーム入りなんで観光土産でしょう。でもこの使われ方,とてもイケてました。




マレーシア

パナマと似ています(ただ,パナマより色は抑え目でした。大使夫人の選び方なんでしょう)。
この巨大なシダ類を見るだけで湿度が想像出来ると云うもの。マルハチと云う冗談のような名前がついています。現地ではマルハチ君なんて呼ばれてはいないでしょうけど。
プルメリアが気に入りました。兎に角カワイくてねェ。
ここだけではありませんが,やはり元々が結婚披露宴を行うような部屋なんで仕方ないんでしょうけど,悲しいのはこの背景ですね。こう云うところまで気を遣ってもらえるともっといいですな。



ブラジル

大体パナマあたりから,いや既にサウジアラビアででしょうか,昨日も申しましたが,私の頭に浮かぶのはホームセンター或いは植物園の温室でした。
だからそうした施設を見逃さずに訪問し続けている者にとっては,見た事がある物が多いんです。
ただ,こうして強烈どころにたたみかけられると,うーんトゥーマッチ。しかもパナマ,マレーシア,ブラジルは隣接していたんです。北寄りの私は窒息しそうでした。
ふと思ったんですけど,私は基本的に寒い場所に行くのが好きなのでこう云う物を逆によく見ます。多分ない物ねだりなんでしょう。って事は。基本的に暑い国では冷蔵庫みたいな場所で北国の植物を展示するのかなぁ。どうなんでしょうねえ。





と,このように花を堪能した後のお楽しみは参加国の料理を食せるブッフェ。こっちは4,000円もかかるのですが行ってみることにしました。
ただ,終了時間を把握していなかったので着いてみると終了3分前。交渉し,なんとか入れてもらいました。
当然,当局にしてみれば次の企画に際し準備を始めなければなりません。スタッフの兄さんが「とにかく食べたい物を全て取っておいてください。取るだけ取っていただいて,あとはごゆっくり」とおっしゃったので,兄さんの提案にしたがいました。結果は…。



満漢全席か!!!   ※3人分です。

6 Kommentare:

Anonym hat gesagt…

ご同行の方には出費もしていただいて、ありがとうございました。
満漢全席に笑ったよ!

それにしても、これだけ詳細に考察していただけるなんて、さすが学者肌。脱帽です。
夫も喜んでいます。花達も喜んで(或いは恐れおののいて)いるでしょう(笑)

私はやはりそういう好みは正反対なのか、南方面のあの水分タップリな感じに惹かれてしまいます。繊細さは確かに弱いけどね。でも高原の植物も小さい頃から割と好き。もちろん感覚的にしか鑑賞しないので、各植物の詳細は全くわかりませんが(笑)

Sei hat gesagt…

いやいや,アリガトウございます。

私も詳細をエラそうに語れるほど通じてはいないけど,好きだからね,ああ云うのは。
多分ここで載せている全ての記事の写真を抽出したら,植物がいちばん多いかも知れない。むやみやたらに撮ってるよ。

満漢全席,実はあれでも未完なのよ。この写真ではデザートひと皿しか写っていないでしょ?この直後,同行者がケーキ皿を運搬。ひとりは4つ,ひとりは3つ。その上みんなで食べようとプチケーキをひと皿にたくさん。どうかしてるよね。

スイスがエーデルワイスを使っていたよ。多分アナタのお好きな高山植物のひとつでは?

好みが違うの,解る。好きな地域が植物に反映されているんだね。 :-)

Anonym hat gesagt…

コメントの入れ方がわからず、
読み流していました。
私も英国のガーデニングさすがと思いました。落ち着いていて癒される感じ。
自然はいいね!
パナマのカエルと斑入りアジサイかわゆい。
各国それぞれ特色をだしていて
本当に楽しいね。ヒサコ

Sei hat gesagt…

ヒサ子,コメントアリガトウ!
そうなのよね,これ,コメントの仕方が解り難いとよく言われます。イキがって独語枠を使っているのがイケないのか知ら…。

パナマ以外に生物小道具を使う国がなかったので,これはちょっとイケてたね。毒持ちっぽい強烈なヴィジュアルのカエル君が周りの植物とよく調和してました。
単体の植物では,やっぱりプルメリアが気に入りましたわ。

華の道にいるヒサ子の参考になるような作品はあった?

Anonym hat gesagt…

華道も園芸も好きな私にとっては
全て参考になりました。
トケイソウもかわいいわ。
花ってそれぞれの魅力を出していて
全て素敵。
ヒサコ

Sei hat gesagt…

そう,トケイソウは相当目立ってました。私にはだけどね。
多くのオバサン方はバラに目を奪われてました。
今日は蘭ちゃんの写真を入れたよ。園芸や華道的な話題ではまるでないんだけど。
見てみてね。